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介護業界に興味はあるものの、「人手不足と聞くけれど実際はどうなの?」「人手不足だと大変なの?」と疑問や不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、介護業界における人手不足の現状や原因、国や現場の取り組みまでをわかりやすく紹介します。
これから介護職を目指す方にとっての将来性や、必要な資格についても解説しているので参考にしてください。
介護の現場は人が足りていない
多くの事業所で求人が出されているものの、応募者が十分に集まらず、採用が難しい状況が続いています。
社会に欠かせない仕事であるにもかかわらず、人手が足りていません。
数字で見ても人が足りていないとわかる
介護業界の人手不足は、データから見ても明らかです。厚生労働省の推計では、今後も介護職員の不足は拡大すると見込まれています。

| 年度 | 介護職員の必要数 | 予想される不足数 |
| 2026年度 | 約240万人 | 約25万人 |
| 2040年度 | 約272万人 | 約57万人 |
高齢者の増加が進む一方で、働き手となる生産年齢人口は減少しており、介護職の不足は今後さらに深刻化していく見込みです。

また、有効求人倍率も全産業平均を大きく上回っており、求人に対して働き手が足りていない状況が続いています。
| 職業 | 有効求人倍率 |
| 全職業 | 1.10 |
| 介護関連職種 | 4.02 |
(2025年3月時点)
人手不足の原因

介護業界の人手不足は、複数の要因が重なって起きています。主な理由として、給与水準への不満や労働環境、人間関係の悩みなどが挙げられます。
また、日本では高齢化が進んでおり、介護サービスを必要とする高齢者が増えていることも、人手不足の一因です。
人手不足を解消するには、こうした課題を整理し、それぞれに合った改善策を進める必要があります。
ここでは、介護業界で人手不足が起きている原因について詳しく解説します。
給与への不満
介護業界で人手不足が続く要因の一つに、給与への不満があります。
介護職員(初任者研修と実務者研修の資格取得者を含む)の平均給与は、33万8,200円です。内訳と金額は下表のとおりです。
| 介護職員の平均給与額の内訳(月給・常勤) | |
| ①基本給 | 19万2,660円 |
| ②手当
(職務手当・処遇改善手当・通勤手当・家族手当・時間外手当を含む) |
9万7,980円 |
| ③一時金
(賞与その他の臨時支給分として4~9月に支給された金額の6分の1) |
4万7,560円 |
| 合計金額(=①+②+③) | 33万8,200円 |
参考:厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
年収にすると、「約405万円」(33万8,200円×12ヶ月)になります。全産業の年収「478万円」と比較すると70万円ほど差はあります。
これまでの職歴や経験、年齢などによって受け止め方は異なり、未経験からスタートする場合は妥当な給料と感じることもあるでしょう。一方で、負担がかかりやすく責任も伴う業務内容とのバランスに課題を感じる声もあります。
人間関係のストレス
介護の現場は、介護職だけではなくケアマネジャーや看護師などと連携しながら働くため、人間関係のストレスが生じやすい環境です。
介護労働安定センターの調査でも、介護職の退職理由の第1位は「職場の人間関係に問題があったため」とされています。
利用者対応に加え、職員同士の情報共有や役割分担も求められるため、コミュニケーションの行き違いが負担となるケースもあります。また、上司らとの関係づくりに悩み、退職を検討するケースも見られます。
こうした課題に対しては、情報共有(申し送りや記録方式等)のルールを整えたり、職種間の連携体制を見直すなど、対策を行うことが重要です。
参考:介護労働安定センター|令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について
体力的・精神的な負担
介護職は、身体介助による体力的負担や、利用者対応に伴う精神的な緊張感がある仕事です。
たとえば、排泄や入浴、移乗介助などを行う場面では身体を使うことが多く、慣れないうちは負担を感じることもあります。また、利用者の体調や安全に配慮しながら対応するため、気を張る場面が重荷になるかもしれません。
しかし、こうした負担は介助技術を身につけたり、福祉用具を活用したりすることで軽減できます。近年では、介護ロボットの導入やチームで支え合う体制づくりも進んでおり、働きやすい環境整備が進んでいます。
人手不足がさらに人手不足を生む悪循環
人手不足により一人あたりの業務量が増え、さらに人手不足を招く悪循環も課題といえます。
慢性的な人手不足が続くと、疲労の蓄積やコミュニケーションエラーによる人間関係の悪化から離職につながり、人手不足がさらに深刻化するという構造が生まれます。
また、余裕のない状態では、利用者一人ひとりに十分な対応が難しくなり、サービスの質の低下も懸念されるでしょう。
このような悪循環に対しては、ICT(情報通信技術)の活用による業務効率化・人員配置の見直しなどが欠かせません。実際に、こうした取り組みによって負担軽減や離職防止につながっている施設も増えています。
人手不足の解消に向けては、施設や運営企業が主体となり、働きやすい環境を整えていくことが求められています。
国も人手不足を解消しようと動いている

介護業界の人手不足に対しては、国も対策を進めています。高齢化の進行に伴い、介護人材の確保は重要な課題となっているためです。
特に、介護職の待遇改善や働きやすい環境づくりに向けた施策が強化されています。また、現場の負担軽減や人材確保を目的として、テクノロジーの活用や外国人材の受け入れなどの取り組みも進められています。
これらの施策は短期的な解決をめざすものではありませんが、人手不足の長期的な改善に向けた動きとして進められています。
人手不足を減らすための具体的な取り組み
介護業界の人手不足解消のために、国が積極的に取り組んでいるのは、主に以下の2つです。
- ・介護従事者の処遇改善
- ・介護分野の生産性向上
介護従事者の処遇改善
介護職員の確保に向けては、厚生労働省を中心に「介護職員等処遇改善加算」の拡充が進められています。これは、事業所の収入に応じて加算が上乗せされ、その分を職員の給与や手当として配分できる仕組みです。
近年は、介護職員だけではなく介護従事者全体を対象に賃上げを進める方向へ拡大されており、月1万円程度の賃上げ措置が実施されています。さらに2026年には、生産性向上や業務効率化に取り組む事業所では追加加算も設けられており、介護職員では最大月1.9万円程度の賃上げにつながるでしょう。
また、訪問看護や居宅介護支援などにも対象が広がり、介護・福祉分野全体で処遇改善を進める動きが強まっています。資格や経験に応じて給与が上がる仕組みづくりも進められており、長期的なキャリア形成や収入面の安定につながる環境整備が進んでいます。
介護分野の生産性向上
介護分野の生産性を向上するためには、以下のようなICT(情報通信技術)や、介護ロボットの活用の推進が欠かせません。
- ・介護記録の電子化
- ・インカムによる情報共有
- ・見守りセンサーを活用した夜間巡回
また、排泄予測システムによって適切なタイミングで介助しやすくしたり、移乗支援ロボットによって職員の身体的負担を軽減したりする取り組みも広がっています。
さらに、業務の役割分担や作業手順を見直しすることで無駄な業務を減らし、限られた人員でも効率的に働きやすい環境づくりが進められています。こうした取り組みにより、職員の負担軽減や離職防止、人材不足の緩和が期待できるでしょう。
介護の資格を取ると将来が安定しやすい

介護業界は慢性的な人手不足が続いており、今後も人材需要の拡大が見込まれています。その中で、資格を持っている人材は即戦力として求められやすく、働き口に困りにくいため、安定して暮らしやすくなります。
国による処遇改善や働き方の見直しが進められており、賃金や労働環境はすぐに大きく変わるものではありません。しかし、以前と比べて働きやすい環境が整いつつあります。
資格を取得することで対応できる業務の幅が広がり、専門性を高めながら段階的にキャリアアップを目指せます。未経験からでも挑戦しやすい初任者研修は、介護の基礎を学びつつ現場で働くための第一歩となる資格です。
資格を身につけることで、就職や転職の際に選択肢が広がるだけでなく、より幅広い業務を担えるようになります。また、高齢者の生活を支え、地域社会が抱える課題の解決に関わる仕事でもあるため、社会に役立っている実感を得やすいでしょう。
まとめ
介護業界の人手不足は依然として深刻ですが、国や事業所、現場で働く人々の取り組みによって、環境は着実に変化しています。
高齢化の進行により需要拡大は今後も見込まれており、将来にわたって必要とされ続ける分野です。また、処遇改善やICT導入などにより、働きやすさの向上も進められています。
人手不足という課題もある一方で、介護職は高齢者の生活を支える重要な役割を担う仕事です。利用者やその家族から感謝される場面も多く、社会に役立っている実感ややりがいを感じやすい点も特徴です。
これから介護職として働こうと考えている方は、まず初任者研修をはじめとした資格を取得し、確実なキャリアアップの土台を整えましょう。
当スクールの初任者研修については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。