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ケアマネの給料について、以下のようなお悩みを持っていませんか?
「ケアマネになると、いくら給料をもらえるの?」
「ほかの職種と比較して高い?安い?」
「業務の大変さに見合った給料なのかな?」
この記事では、公的な資料を基にケアマネの平均月収・年収・時給を詳しく紹介します。ケアマネ資格取得を考えている方に向けて、他職種との収入差も紹介するので、ぜひご覧ください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の平均給料【2025年最新】
ケアマネジャー(正式名称:介護支援専門員)は、要支援者・要介護者からの介護に関する相談を受ける仕事です。ケアプランの作成代行や関係機関との連絡調整を行い、相談者のよりよい暮らしを支援します。
まずはケアマネの給料を具体的にみていきましょう。
ケアマネジャーの平均月給・年収
令和6年9月時点のケアマネの平均給与額は37万5,410円です。内訳は下表のとおりです。
①平均基本給 | 22万4,280円 |
②平均手当 | 9万5,700円 |
③平均一時金 | 5万5,430円 |
①+②+③ | 37万5,410円 |
参考:厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 第70表介護従事者等の平均給与額等(月給の者)職種別、勤務形態別(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)
上記の給与を年間に換算すると、450万4,920円(=37万5,410円×12か月)となります。
続いて、非常勤ケアマネの平均給与額は23万3,490円です。内訳は下表のとおりです。
非常勤ケアマネの平均給与額の内訳 | |
①平均基本給 | 15万7,480円 |
②平均手当 | 4万4,830円 |
③平均一時金 | 3万1,170円 |
①+②+③ | 23万3,480円(※) |
※内訳の合計値と平均給与額の間に金額差(10円)あるが、原文のまま記載
参考:厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 第70表介護従事者等の平均給与額等(月給の者)職種別、勤務形態別(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)
上記の給与を年間に換算すると、280万1,880円(=23万3,490円×12か月)となります。
パート・非常勤ケアマネジャーの時給水準
パート・非常勤ケアマネの平均時給は1,675円です。他職種と比較してみましょう。
職種 | 平均時給(※) |
ケアマネ | 1,675円 |
介護職員 | 1,542円 |
生活相談員 | 1,528円 |
看護職員 | 1,747円 |
理学療法士など | 1,821円 |
※平均給与額÷実労働時間で算出
参考:厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 第72表 介護従事者等の平均給与額等(時給の者),職種別,勤務形態別(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)
なお、「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、パート・非常勤ケアマネの実労働時間は96.2時間でした。この労働時間は、1日6時間勤務、1月あたり約16日間働く計算となります。
たとえば、9時から16時頃まで働くと1日あたりの労働時間は6時間になるでしょう。
施設ケアマネジャーと居宅ケアマネジャーの収入差
施設ケアマネと居宅ケアマネでは、夜勤手当分の収入差が生じる可能性があります。
施設ケアマネは、24時間体制で施設利用者をケアする介護施設で働きます。グループホームなどの小規模の介護施設では、ケアマネが夜勤業務に従事するケースも少なくありません。
一方の居宅ケアマネは、居宅介護支援事業所に所属し、日中の訪問業務などが主な業務です。夜勤業務は基本的にありません。
夜勤業務と日中のケアマネ業務を兼務するのは負担が大きいため、ご自身の体力や希望を尊重することが大切です。
ケアマネジャーの報酬仕組みと手当の種類
介護保険制度では、保険者(市町村)から事業所(事業者)に介護報酬が支払われます。この介護報酬は事業所のメイン収入となります。
たとえば、居宅介護支援事業所では、ケアマネが提供した居宅介護支援サービス(居宅介護サービス計画費)に対して、介護報酬が支払われます。
続いて、事業所は会社の給与規則などに則り、ケアマネの基本給・資格手当などを決めるでしょう。夜勤手当や皆勤手当といった手当がもらえるケアマネもいるかもしれませんね。
なお、居宅介護サービス計画費には「逓減制(ていげんせい)」というルールがあります。
逓減制とは、1人のケアマネが一定数以上の担当を持つ場合、基本報酬が下がる仕組みです。
参考:公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット 介護保険の介護報酬とは
参考:厚生労働省|令和3年度介護報酬改定における改定事項について 2.(6)② 逓減制の見直し
ケアマネジャーと他職種の給料比較
ケアマネへのキャリアアップを考えるときや転職を検討するときに、給料の違いが気になる方も多いかもしれません。
将来設計のために、ケアマネと他職種の給料の違いを確認しましょう。
介護職員や相談員との給料比較と特徴
ケアマネの平均給与は、37万5,410円です。介護職員・相談員と比較した表は以下のとおりです。
職種 | 平均給与 | ケアマネとの金額差 |
生活相談員 | 35万3,950円 | 2万1,460円 |
介護職員 | 33万8,200円 | 3万7,210円 |
参考:厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤の者、職種別)
ケアマネの平均給与は、介護系職種の中で高い水準を保っています。
看護職やリハ職との給与差
ケアマネの平均給与は、37万5,410円です。看護職・リハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士または機能訓練指導員)と比較した表は以下のとおりです。
職種 | 平均給与 | ケアマネとの金額差 |
看護職員 | 38万4,620円 | ▲9,210円 |
理学療法士など | 36万2,800円 | 1万2,610円 |
参考:厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤の者、職種別)
ケアマネの平均給与は、看護職より若干低いもののリハビリ職よりも高い水準を保っています。
その理由には、ケアマネ業務の専門性の高さが挙げられるでしょう。ケアマネ業務の詳細や期待される項目を知りたい方は、こちらのコラム記事もご覧ください。
ケアマネジャーが給料を上げるための具体策
ケアマネが給料を上げるために有効な4つの具体策を紹介します。
- 1. 経験年数を積み重ねる
- 2. 介護福祉士資格を活かして兼任で収入を増やす
- 3. 主任ケアマネや管理職に就く
- 4. 独立して働く
それぞれ具体的にみてみましょう。
経験年数を積み重ねる
勤続年数を積み重ねることで、ベースアップによる給料アップを狙えます。
また、現場経験を積み重ねることで、好待遇の事業所に転職することも可能です。ケアマネが現場で培った経験・知識は、他の施設や事業所でも大きな武器となります。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」から、経験年数別の平均給与を紹介します。
経験年数 | 平均給与 |
0年 | 21万6,200円 |
1~4年 | 26万1,500円 |
10~14年 | 29万1,600円 |
15年以上 | 30万9,300円 |
区分:介護支援専門員
年齢:35歳~39歳 |
参考:e-Stat|令和6年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
介護福祉士資格を活かして兼任で収入を増やす
介護福祉士を取得することで、ケアマネ業務と介護業務の兼任が可能になります。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)などの小規模な介護施設に勤めた場合、夜勤業務に従事することで夜勤手当が付与されます。
介護福祉士を取得したケアマネなら、事業所管理者は安心して夜勤業務を任せられるでしょう。
また、入居者が少ない施設では、ケアマネが担当する利用者は大規模施設より少なくなります。ケアマネ業務と介護業務の両立も可能です。
なお、介護福祉士とケアマネ資格を所持する場合、一般的にどちらか1つに資格手当が付与されます。2つの資格手当を同時に受け取ることは難しい点に注意しましょう。
主任ケアマネジャーや管理職に就く
主任ケアマネや管理者に就くことで、「責任範囲の増加による基本給アップ」や「役職手当による給料アップ」を見込めます。
主任ケアマネとは、平成18年度に創設された職種です。新人ケアマネへの助言・指導や他のケアマネからの相談・支援を行うことから、ケアマネの上位資格に位置付けられています。
令和3年度以降、居宅介護支援事業所の管理者には、主任ケアマネ資格が必須となりました。今後は、主任ケアマネが管理者を兼務するケースは増えていくでしょう。
画像引用:厚生労働省|居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置及び地域区分について
独立して働く
居宅介護支援事業所を開業して、収入アップを図る方法も考えられます。
会社や法人に所属するケアマネは、会社などで定められた給料規定によって、自身の給料が決まります。
しかし、独立開業の場合、居宅介護支援サービスの対価として受け取る介護報酬は、すべて自身の報酬となります。受け取る介護報酬が増えると、その分が自身の収入になるわけです。
ただし、居宅介護支援事業所を立ち上げると、事業所の経費もすべて自分持ちとなります。また、主任ケアマネ資格を持たない場合は、スタッフを雇わなくてはいけません。
独立開業という選択肢は、こうした収入面の可能性とリスク、制度上の制約を理解した上で選ぶとよいでしょう。
人材不足・2025年問題・資格価値向上で需要が高まっている
少子高齢化が進行する日本では、介護サービスを利用する高齢者は増加傾向にあります。
年度 | 介護予防サービスまたは介護サービスの年間受給者数 |
令和2年度 | 621万9,000人 |
令和3年度 | 638万1,700人 |
令和4年度 | 652万4,400人 |
令和5年度 | 663万2,000人 |
2025年には、団塊の世代が75歳以上の高齢者となるという試算も出ています。介護サービスの需要拡大が見込まれる中、福祉・介護のケアマネジメントを担うケアマネの資格価値は、ますます高まるでしょう。
一方で、専門性確保の観点から、ケアマネの受験資格は2018年に厳格化されました。つまり、ケアマネの需要増加の一方で、ケアマネになるハードルは高くなっているのです。
まとめ
ケアマネの平均給与は37万5,410円と、他の介護系資格の中でも高い水準にあります。
その理由としては、少子高齢化や2025年問題などの社会的背景もありますが、最も大きな理由は「ケアマネが介護保険制度のマネジメントを担う専門職」だからでしょう。
介護が必要となっても、その人が望む暮らしを支援するケアマネは、今後も全国の地域や街で求められる専門職といえます。
ケアマネは、高い将来性があり資格取得の価値がある資格です。
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