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介護の仕事をするうえで「どの資格を取ればよいのだろう?」「費用や難易度はどのくらい?」「キャリアアップにつながる資格は何?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
介護業界には国家資格から民間資格までさまざまな資格があり、取得することでキャリアアップや就職・転職の幅を広げられます。
ただし、資格ごとに必要な学習期間や費用、活かせる仕事内容などは異なるため、自分に合った資格を選ぶことが大切です。
本記事では、介護の資格おすすめ22選を一覧で紹介し、取得の難易度や費用、将来のキャリアにどうつながるのかをわかりやすく解説します。
これから介護分野で活躍したい方や、スキルアップを目指す方はぜひ参考にしてください。
介護の資格を一覧で紹介
介護の資格は数多くありますが、どの資格を取得するかで働き方やキャリアプランが変わります。
ここでは、介護業界の主要な22の資格を一覧で紹介し、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
さらに、その中でも介護職のキャリアアップに直結する3つの資格について、より詳しく解説するのでご覧ください。
介護業界の主要な22の資格
介護業界の主要な22の資格とそれぞれの特徴は、以下のとおりです。
資格名 | 特徴 |
介護職員初任者研修 | 介護の基礎知識やスキルを学べる資格 |
介護福祉士実務者研修 | 介護福祉士の受験や医療的ケアに必須の資格 |
介護福祉士 | 介護のスペシャリストで介護職唯一の国家資格 |
認定介護福祉士 | 高い専門性を証明する介護福祉士の上位資格 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 介護サービスを計画する司令塔的な存在の資格 |
社会福祉士 | 幅広い分野で活躍できる福祉相談援助の国家資格 |
精神保健福祉士 | 精神障害者への支援に特化した国家資格 |
喀痰吸引等研修 | たん吸引や経管栄養などの医療的ケアを学べる資格 |
レクリエーション介護士 | 高齢者に楽しみと生きがいを提供する資格 |
ガイドヘルパー養成講座 | 障害者や高齢者の外出を支援する資格 |
福祉用具専門相談員 | 介護用品の選定・活用をサポートする資格 |
福祉住環境コーディネーター | 住環境を介護向けに改善提案できる資格 |
介護事務 | 介護報酬請求をはじめ事務業務を担う資格 |
介護予防運動指導員 | 運動を通して高齢者の介護予防を支援 |
終末期ケア専門士 | 人生の最終段階に寄り添うケアの専門資格 |
在宅介護インストラクター | 家族介護を指導・サポートする資格 |
高齢者コミュニケーター | 高齢者との円滑なコミュニケーションを学ぶ資格 |
認知症介護基礎研修 | 無資格の方が受講必須の認知症ケアの入門資格 |
認知症ケア専門士 | 専門的知識で認知症ケアを実践する資格 |
認知症ケア指導管理士 | 職場で認知症ケアを指導・管理する専門資格 |
認知症ライフパートナー | 認知症の理解を深め支援につなげる民間資格 |
認知症アクティビティ・ケア専門士 | 活動やレクリエーションで認知症ケアをおこなう資格 |
それぞれの資格の特徴を確認し、自分の働き方やキャリアアップに活かせる資格を選びましょう。
初心者が最初に取得すべき「初任者研修」
これから介護職をはじめる方には、「初任者研修」の資格取得がおすすめです。初任者研修は、介護の基礎を一から学べるため、介護初心者の方でも取得しやすい資格となっています。
受講条件はとくになく、未経験無資格からでも資格取得を目指せるため介護職の入門資格として最適です。
無資格の場合は原則身体介護はおこなえませんが、初任者研修を取得することで食事や排泄、入浴などの介助が可能になり業務の幅も広がります。
就職や転職の際も、初任者研修を取得していることが有利に働くこともあるでしょう。
ステップアップに必須の「実務者研修」
介護職として、より専門性を高めてキャリアアップを目指したい方には「実務者研修」の資格取得がおすすめです。
実務者研修は国家資格である「介護福祉士」の受験要件にもなっており、キャリアアップのためには避けては通れない資格といえます。
また、訪問介護事業所でサービス提供責任者として働けるほか、痰吸引や経管栄養といった医療的ケアを習得できる点が特徴です。
初任者研修よりも専門的で、給与アップの効果も期待できるためキャリアアップを目指す場合は必ず取得しておきたい資格です。
介護職唯一の国家資格「介護福祉士」
「介護福祉士」は介護職の資格の中で唯一の国家資格です。資格取得により、専門職としての権威や社会的評価などを得られます。給与アップや役職への昇進などにも直結します。
取得ルートは、主に以下の3パターンです。
- 1.実務経験ルート(3年以上の実務+実務者研修)
- 2.養成校ルート(大学や専門学校などで所定課程を修了)
- 3.福祉系高校ルート(福祉系高校を卒業)
いずれのルートも最終的には国家試験に合格することが必要ですが、計画的に学習を継続すれば決して難しい試験ではありません。
キャリアアップに役立つ資格
介護職は資格を取得することで専門性を高めキャリアの選択肢を広げられます。
認定介護福祉士やケアマネジャーなどの上位資格を取得すれば、介護現場でのキャリアアップに直結します。
また、自分の目指す働き方に合った資格を取得することで事務職やマネジメント職など多様な分野でも活躍可能です。
介護福祉士の次に目指せる上位資格
介護福祉士の次に目指せる上位資格は、主に以下の2つです。
- ・認定介護福祉士:専門的な介護スキルだけでなく、チームをまとめ専門性の高い指導力も担う
- ・ケアマネジャー:ケアプランを作成し、利用者と事業所の仲介役として支援する
- 認定介護福祉士は、介護福祉士の資格取得後、5年以上の実務経験を経て研修を修了し認定を受けること資格を得られます。
一方ケアマネジャーは、「指定の国家資格等に基づく実務経験5年以上」または「相談援助業務の実務経験5年以上」の受験資格を満たし、介護支援専門員実務研修受講試験に合格したうえで、介護支援専門員実務研修を修了することで資格を取得できます。
どちらの資格も、リーダー職や管理職などへのキャリアアップに役立つ魅力的な資格といえるでしょう。
認知症ケアに役立つ資格のステップ
認知症ケアの向上を目指す方には、以下のような資格がおすすめです。
- ・認知症介護基礎研修
- ・認知症ケア専門士
- ・認知症ケア指導管理士
- 高齢化が進むなかで認知症ケアの需要は年々高まっており、資格を取得することで現場での信頼性が増し、介護の専門職としての強みにもつながるでしょう。
とくに、認知症ケア専門士は高度な知識と実践力を求められ、キャリアアップや役職昇進にもつながるため、長期的なキャリア形成を考える際に有効な資格といえるでしょう。
介護に関わる専門資格で広がる働き方
介護現場以外にも活躍の場を広げたい方には、以下のような資格がおすすめです。
- ・福祉住環境コーディネーター
- ・福祉用具専門相談員
- ・介護事務
福祉住環境コーディネーターは住まいの改修提案をするため、介護職としての経験を活かせる仕事です。施設の運営や経理など、デスクワークメインで働きたい方には介護事務が向いているでしょう。
福祉用具専門相談員は、利用者に適した福祉用具を選定する仕事で、実際に介護サービスを提供した介護職の経験が活かしやすい仕事です。
未来ケアカレッジでは、以下のような講座を取り扱っています。
- ・福祉用具専門相談員指定講習会
- ・介護事務講座
- ・レクリエーション介護士2級
- ・認知症セミナー
- ・ガイドヘルパー養成講座
ぜひ介護職のスキルアップにご活用ください。
資格取得の難易度・費用・メリット
介護の資格は難易度や費用が幅広く、資格取得前にそれぞれの資格の詳細を確認することが大切です。
介護福祉士やケアマネジャーなど試験がある資格は、合格率の分析や学習計画が重要です。
一方で、初任者研修や実務者研修など修了型の資格の場合は、受講費用やスケジュールなどを確認し、自分が無理なく学べるスケジュールで受講しましょう。
介護資格の難易度と合格率
介護系の資格の難易度と合格率について、以下の2つの資格をもとに解説します。
資格名 | 合格率 |
介護福祉士 | ・2022年度(第35回):84.3%
・2023年度(第36回):82.8% ・2024年度(第37回):78.3% |
ケアマネジャー(介護支援専門員) | ・2022年度(第25回):32.1%
・2023年度(第26回):21.0% ・2024年度(第27回):19.0% |
国家資格である介護福祉士は合格率70〜80%と高めですが、ケアマネジャーに関しては、合格率20〜30%と難易度は高めになっています。
一方で、初任者研修や実務者研修は国家試験のような大規模な試験はなく、修了評価や添削レポートで合格点をとれば取得できます。介護福祉士やケアマネジャー試験と比べれば負担は小さく、比較的取得しやすいでしょう。
介護福祉士やケアマネジャーは、受験資格を得るまでに数年の実務経験が必要なため、早いうちからコツコツ学習すれば確実に合格に近づけるでしょう。
介護資格を取ることで得られるメリット
介護の資格を取得するメリットは、以下のようなことがあげられます。
- ・就職や転職で有利になる
- ・手当や基本給アップなどで待遇が改善する
- ・家族介護の際に役立つ
介護業界は慢性的な人材不足で、資格保有者は即戦力として高く評価されるため、就職や転職の際に採用されやすくなります。
資格手当として数千円から数万円支給されるケースが多く、資格取得は確実に給与アップにつながるでしょう。厚生労働省の調査「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」でも、資格取得により以下のように給与がアップします。
保有資格 | 平均給与(月給) |
資格なし | 290,620円 |
初任者研修 | 324,830円 |
実務者研修 | 327,260円 |
介護福祉士 | 350,050円 |
ケアマネジャー | 388,080円 |
また職場だけでなく、家族介護の場面でも役立ち、実生活に直結したメリットも得られるでしょう。
資格取得にかかる費用と支援制度
資格取得には一定の費用が必要です。以下の表は、初任者研修と実務者研修の、費用の相場をまとめたものです。
資格名 | 費用の相場 |
初任者研修 | 2〜5万円ほど |
実務者研修 | 5〜10万円ほど(無資格の場合) |
※費用の相場は未来ケアカレッジの受講料をもとに算出しています
「職業訓練給付金」を利用すれば、さらに自己負担を抑えることも可能です。また、介護事業所によっては受講料の割引や就業支援制度を設けている場合もあります。
資格取得を目指す際は、全額自己負担するのではなく、支援制度がないか確認し、少しでも費用負担を抑えるといいでしょう。
働きながら初任者研修を目指したい方は、以下の記事で受講生の実例を紹介しているのでぜひご覧ください。
▶︎初任者研修を働きながら取得するには?受講生の実例&通学スケジュールで完全解説!
まとめ
介護の資格は、初任者研修のような基礎的なものから、介護福祉士のようなより専門性の高い国家資格まであります。
さらにはケアマネジャーのように、専門分野が広がる資格も豊富にあるため、自分のキャリアプランに合わせて選べるのが魅力です。
本記事で紹介した受験資格や資格取得のメリット、費用などを比較することで、自分に合った資格や取得までの学習スケジュールが立てやすくなるでしょう。
未来ケアカレッジでも、介護の資格講座や試験対策講座などを開講しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。詳しい講座一覧は、未来ケアカレッジ公式ページで確認できます。
自分に合った資格やキャリアプランを見つけたい方は、資料請求をしたり、無料説明会に参加したりしてみると、最初の一歩を踏み出しやすくなるでしょう。