【初心者向け】ケアマネジャーの役割を状況・職場別に解説!相談対応のコツも紹介

2025.10.27
【初心者向け】ケアマネジャーの役割を状況・職場別に解説!相談対応のコツも紹介

目次

相談者の生活課題やニーズを把握し必要なサービスを調整する業務を「ケアマネジメント」と呼びます。

このケアマネジメントを専門に行う専門職がケアマネジャーです。

この記事では、「ケアマネジャーの基本的な役割って何??」「職場によってケアマネジャーの働き方に違いはあるの?」と疑問をお持ちの方に向けて、ケアマネジャーの基本的な役割と状況・職場による違いを紹介します。

ケアマネジャーが「できること・できないこと」「相談対応のコツ」も確認して、ケアマネジャーの役割を整理しましょう。

ケアマネジャーの役割とは?

微笑む女性と高齢者

ケアマネジャーの役割は、大きく以下の2つに分けられます。

1.要介護者や要支援者からの介護に関する相談に対応する

2.相談者が望む生活を維持できるように介護サービスを調整する

ケアマネジャーの基本的な役割と支援内容、そして他職種との違いをみていきましょう。

ケアマネの基本的な役割と支援

要介護者や要支援者は、何らかの疾病や障害を抱えており日常生活に手助けを必要としています。

一人ひとり抱えている生活上の課題は異なり、「こうして生活していきたい」という希望(ニーズ)もさまざまです。

このような要支援者・要介護者の相談に対応し、その人が望む方法で生活を維持できるように、必要な介護サービスを紹介・調整することがケアマネジャーの基本的な役割になります。

具体的な業務は次のとおりです。

  • ・介護に関する相談対応
  • ・ケアプランの作成
  • ・介護サービス事業者との連絡調整
  • ・医療機関との情報共有

ケアマネジャーは地域の社会資源を活用して、相談者を支援することもあります。

社会資源とは介護保険サービスほか社会の中で提供される各種サービスや支援を指します。このうち、地域資源の具体例は以下のとおりです。

  • ・民間業者のサービス(訪問理美容、食事宅配サービスなど)
  • ・地域の見守りサービス
  • ・認知症カフェなど

ケアマネジャーは、介護保険制度を活用したり地域の社会資源を紹介したりして、利用者の生活を支えます。

他職種との違いとケアマネの位置づけ

ケアマネジャーと「生活相談員・医師・介護職」との違いを確認しましょう。

生活相談員は、施設利用者やその家族を対象に、相談・援助業務を行う仕事です。

利用者の様子をケアマネジャーに伝えたり、サービスに必要な情報を現場職員に提供したりします。介護サービス全体を調整する業務は基本的に担当しません。

医師は、病気や怪我を治療する医療の専門家です。患者を診察して治療方針を示し、本人の状態に合わせて治療を行います。

ケアマネジャーは、治療が終了した後の本人の生活を考える立場です。本人が望む暮らしを送れるように、必要な対応(歩行杖や手すりの導入、段差の解消など)を考えます。

介護職は、現場で利用者を支援する仕事です。食事や入浴などの身体介助、気持ちのケアなどを行います。ケアマネジャーより利用者と直接接することが多いです。

ケアマネジャーの役割は状況・職場で変わる

車いす

ケアマネジャーに求められる役割は、状況や職場によって異なります。

以下の職場別に、役割の違いを確認しましょう。

  1. 1.居宅介護支援事業所
  2. 2.介護施設
  3. 3.地域包括支援センター

居宅介護支援でのケアマネの役割

居宅介護支援事業所は、要介護認定を受けた人が自宅で生活できるように支援する事業所です。

居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは「居宅ケアマネ」と呼ばれます。本人の心身の状況や住宅環境などを確認して、ケアプラン(居宅サービス計画)の作成や介護サービスの手配などの支援を行います。

在宅介護では、本人を支える家族などの介護者の存在も重要です。ケアマネジャーは介護者の支援も行います。

たとえば、介護負担の軽減を目的としてショートステイを導入したり事業所との連絡調整を行ったり、生活上のアドバイスを行ったりします。

居宅ケアマネは、要支援者・要介護者の在宅生活を支える仕事です。

施設でのケアマネの役割

介護施設の入所者を支援するのが介護施設で働く施設ケアマネです。

施設ケアマネは、入所者の身体状況や生活課題、そして希望する生活を総合的に判断したうえで「施設サービス計画」を作成します。

入居者に合わせたケアプランを作成するために、他職種(介護職・看護職・リハビリ職など)と連携し情報共有を密に行うことも大切な役割です。

なお、小規模の介護施設では施設ケアマネが介護業務を担当することもあります。介護施設のケアマネジャーとして働きたい方は、その他の介護系の資格を取得しておくとよいでしょう。

地域包括支援センターでのケアマネの役割

地域包括支援センターとは、地域の保健医療や福祉の増進を目的とする公的な機関です。

“地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設(介護保険法第115条の46第1項)”

引用:厚生労働省|地域包括支援センターについて

地域包括支援センターでは、ケアマネジャーの配置も認められています。

地域包括支援センターで働くケアマネジャーの役割は、地域で暮らす高齢者と障がい者の暮らしを支援することです。介護保険制度のマネジメントだけでなく、地域の社会資源を見つける役割も期待されます。

主任ケアマネジャーとの違いは後述します。

退院支援など医療と連携する場面でのケアマネの役割

ケアマネジャーは、医療と連携して利用者の生活を支える役割も担います。

たとえば、担当する利用者の「退院が決まってから自宅に戻るまでの一般的な流れ」は次のとおりです。

  1. 1.利用者の退院が決定
  2. 2.利用者や家族のもとを訪問して現状を把握
  3. 3.退院前ケアカンファレンスに出席(退院に向けての重要事項などを確認)
  4. 4.サービス担当者会議の開催(①本人や家族の意向を確認②退院後の在宅生活の支援の方向性などを出席者で話し合う)
  5. 5.利用者が退院
  6. 6.退院後の状況をモニタリング

退院前カンファレンスは病院側が主催しますが、サービス担当者会議の日時や調整を行うのはケアマネジャーです。両者の違いを把握しておくと、現場で働く際に役立つでしょう。

ケアマネジャーは地域医療と連携し、利用者が安心して在宅生活へ戻れるように橋渡し役を担います。

ケアマネジャーができることとできないこと

相談に乗る女性

ケアマネジャーが対応できる業務と対応できない業務を区別することは、相談対応でのトラブル回避につながります。また、本来のケアマネ業務に注力できるようになります。両者の違いを確認しましょう。

ケアマネが受けられる主な相談内容

ケアマネジャーが対応できる相談は、利用者本人や家族からの介護に関する相談です。

たとえば、「足腰が弱くならないように、リハビリできる施設に通いたい」「少人数でゆっくりできるデイサービスは近くにある?」といった相談が対応できる業務にあたります。

この場合、ケアマネジャーは利用者の介護度に合わせて介護サービスを紹介したり、お試し利用などのサービス調整を行ったりします。

他にも、「本人にイライラしてしまう。どうしたらいいですか?」といった介護者からの相談にアドバイスをすることもあります。

ケアマネの業務に含まれないことと注意点

ケアマネジャーは「ケアマネジメント」を専門に行う仕事です。そのため、ケアマネジメント以外の業務は、他機関につなぐべきと考えられています。具体的な項目は次のとおりです。

  • ・部屋の片付け・ゴミ出しなどの家事支援
  • ・預貯金の引出・振込
  • ・福祉サービスの利用手続きや利用料の支払い
  • ・入院や入所に必要な着替え・物品の調達など

参考:ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理概要①

このほかにも、「通院の送迎」「身元の保証」などは他機関に相談すべき項目でしょう。地域包括支援センターや行政の窓口、法律の専門家への相談、民間サービスなどが相談先に考えられます。

ケアマネジメント以外の業務を他機関につなぐことで、本来のケアマネ業務に注力できるでしょう。

ケアマネジャーとして相談対応を円滑に進めるコツ

高齢者の相談に乗る女性

ケアマネジャーが相談対応業務を円滑に進めたいときは、以下の3項目に注意してみましょう。

  1. 1.生活状況と希望を正確に聞き取る
  2. 2.具体的に質問して本音を引き出す
  3. 3.誠実に向き合い信頼を積み重ねる

相談対応がスムーズに進むと、相談者に合ったケアプランの作成に結びつきます。それぞれ確認しましょう。

生活状況と希望を正確に聞き取る

利用者の生活状況や将来の希望をケアプランに反映させると、その人に合った介護サービスを提供できるようになります。

現在のADL(日常生活動作)や病歴、家族の状況や生活環境、そして経済状況などを聞き取ったうえで、「今、具体的に困っていることは何か」を把握しましょう。

知りたい情報をリスト化して、事前に本人や家族に提示する方法も有効です。

そして、「困りごとをどのように解決したいか」「この先どのように暮らしていきたいか」を明らかにしましょう。利用者の希望が複数あれば、優先順位をつけて整理すると業務がスムーズに進みます。

具体的に質問して本音を引き出す

ケアマネジャーが利用者・家族と面談するときは、具体的な質問によって相手の本音を引き出していきましょう。

利用者の本音をケアプランに反映できると、相手の課題解決に役立つ介護サービスを提供できるようになります。

質問の際は、利用者の状況と似ている事例や状況が良くなった事例を紹介するとよいでしょう。

なお、会議の場で、家族全員の希望をまとめるのは大変な作業です。本人とキーパーソン(介護の方針を決める人)の希望を中心に、参加者の意見をすり合わせていきましょう。

誠実に向き合い信頼を積み重ねる

相談対応を円滑に進めるためには、本人や家族と誠実に向き合い信頼を積み重ねることが大切です。

信頼関係があると、利用者や家族は安心してケアマネジャーに相談してくれます。問題が起きた(起きそうな)ときにも早めの連絡をもらえるため、迅速な対応が可能になるのです。

信頼を積み重ねるポイントは次のとおりです。

  • ・感謝の気持ちをこまめに伝える
  • ・こちらの要望をきちんと伝える
  • ・約束の時間に遅刻しない
  • ・スケジュールの調整があれば事前に相談する

約束事を守らなかったり失礼な態度を取ってしまったりすると、本人や家族から拒絶されるおそれがあります。

長期的な関係を意識した言動を心がけて、本人や家族と良好な関係を築きましょう。

まとめ

微笑む高齢女性と二人の職員

本記事では、ケアマネジャーの基本的な役割をお伝えしました。

ケアマネジャーの基本的な役割は、介護を必要とする要介護者・要支援者からの相談に対応し必要なサービスを調整することです。

ケアマネジャーは、支援を必要とする人に必要な介護サービスを届ける仕事です。高齢化が進む日本では、欠かすことのできない専門職でしょう。

ケアマネジャーに興味のある方は、ぜひこの機会に資格取得を検討してみてください。

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